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プロジェクトストーリー:映像制作「震災津波伝承館」|仕事を知る|新卒採用サイト|NHKエンタープライズ

WORK プロジェクトストーリー

映像製作「震災津波伝承館」
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映像製作「震災津波伝承館」

いま、東北各地では東日本大震災の記憶と教訓を後世に残す取り組みが本格化しています。そのシンボルともいえるのが、2019年に気仙沼市と岩手県で開館した2つの伝承館。これらの施設のために、NHKアーカイブスを活用して、映像コンテンツ制作に取り組んだ若手プロデューサーがいました。

震災の記憶と記録を後世に伝えるために

A PRODUCER

プロフィール
所属
ドラマ番組
出身校
東京大学
趣味
ドラマ・映画鑑賞、観劇、乗馬
入社の決め手
力の入った大型番組や、いわゆるNHKらしいイメージから少し外れたテイストの番組を数多く制作している印象があり、「何か面白いことが出来るかも」と思えたから
経歴
2015年4月
新卒入社
2015年5月
ディレクターとして、リポート・中継制作や情報文化番組のAD、ドラマ制作の助監督を経験
2016年7月
NHK甲府放送局へ研修派遣。ディレクターとして、リポート・中継制作などの番組制作を担当
2017年7月
イベント・映像展開へ配属 映像事業のプロデューサーを担当
2019年9月
ドラマ番組へ配属 助監督業務やPR番組のディレクターを担当
担当ディレクターA

FLOW

プロジェクトの流れ プロジェクトの流れ
映像製作「震災津波伝承館」 映像製作「震災津波伝承館」

CHAPTER.01

経験、知識、責任感、緊張感…全てを注ぎ込もう

2017年の夏、私は番組制作の部署から、イベント・映像展開に異動しました。異動先で取り組んだのは、映像事業のプロデューサー業務です。この事業のミッションは、企業、官公庁、自治体など様々なクライアントの依頼をもとに映像コンテンツを企画・制作すること。私も歴史ある企業の周年記念映像や採用ブランディングのWeb動画、博物館の館内シアター用ムービーなど、様々な案件に携わりながら、プロデューサー業務のイロハを身に付けていきました。

特に「得難い経験ができた」と感じたのが、2018年から2019年にかけて担当した気仙沼市(宮城県)と岩手県がそれぞれに開館した、“2つの伝承館”の映像制作です。この2つの案件は、東日本大震災の記憶、記録、教訓を後世に伝え、残すための象徴的な事業であり、復興を目指す各自治体にとっての一大プロジェクトでもありました。

こうしたプロジェクトの概要を上司のチーフプロデューサーから説明された時には、その公共性の高さと社会的意義の重さから、「最大限の責任感と緊張感を持って臨まなければ」と、自然と背筋が伸びたのをよく覚えています。そして、「これまで磨いてきた経験と知識を全て注ぎ込もう。これまでの集大成にできるように全力で頑張ろう」と気合が入りました。

映像製作「震災津波伝承館」

CHAPTER.02

行政とも密に連携して、心動かす映像を

2018年5月、まず気仙沼市の『東日本大震災遺構・伝承館』のプロジェクトが始動しました。オーダーは、震災当日・直後の気仙沼市の状況を伝える記録映像と、被災者の想いや命の大切さを伝える既存番組の二次使用映像2本、映像素材を活用した新規映像1本を制作することでした。

私の主な役割は、プロジェクトの工程・予算・品質の管理。さらに市の担当者の方と密にコミュニケーションをとって映像のテーマや要望などを精査したり、制作プロダクションのディレクターと映像構成に関する打ち合わせを重ねたりと、幅広い業務を通してプロジェクトを成功させることです。

またディレクターと協力してNHKアーカイブスに保管された映像素材の中から、「これは」というものをピックアップする作業も担当しました。行政の方も熱心にサポートしてくださり、地域に眠っていた動画や写真を提供していただくこともありました。こうして関係者全員が力を合わせた結果、2019年1月に見る人の心を動かすような映像が完成。私にとって初めて主担当を務めた仕事であり、しかも「震災復興」という大きなテーマに携われたこともあり、大きな自信になりました。

そして、この経験を同じ時期に進めていた、岩手県の『東日本大震災津波伝承館』のプロジェクトにも活かすことが出来ました。事業主が市から県へと変わったことで、プロジェクトの規模が一気に拡大。映像コンテンツだけでもガイダンスシアターや各展示ゾーンに合計6本を配置し、通常版の他に子ども向けバージョンや英語版・中国語版も制作する計画でした。さらに施設の開館時期も決まっており、急ピッチの作業が求められます。スピード感も品質も一切の妥協が許されない、大きな挑戦が始まりました。

映像製作「震災津波伝承館」

CHAPTER.03

被災地域に想いを馳せながら、走り続ける日々

まずは社内外のプロジェクト関係者とディスカッションし、6本の映像の構成を固めていきました。ガイダンス映像では震災前の三陸の生活と歴史から、震災で受けた被害、その後の復興・教訓までを紹介する内容で制作。そして館内を進む流れで、岩手県の沿岸12市町村が地震と津波でどのような被害を受けたのか、時系列で追うドキュメント映像として事実を克明に伝えたり、インタビュー映像などを通して、被災者の感情や県内各地の変化を提示したり、さらに初期の復興に関わった方の奮闘まで、立体的に体感できるコンテンツも制作しました。こうした映像の軸を固めつつ、それと並行して、私はNHKアーカイブスを中心に、様々なリソースから映像素材をリサーチする作業にも取り掛かりました。

この工程は気仙沼市の案件でも経験し、いかに大変かがすぐに想像できました。膨大な情報の中から必要な映像を収集するには“コツ”と“手間暇”の両方が必要で、時には「1本の映像を探すのに1日がかり」というケースもあるからです。

また、再利用するには権利関係の適切な処理も必要不可欠。社内の権利処理担当と二人三脚で、映像の撮影者を探して連絡を取り、1件1件許可をお願いしていきます。多くの場合、撮影した方も被災者のひとりですので、映像を提供してくださる方々を絶対に傷つけることが無いように、映像だけでなくその想いにも向き合い、最大限の心配りをしながら、本当に細い糸をたぐるように一つひとつの素材を集めていきました。

CHAPTER.04

開館後もずっと続く反響が、大きなやりがいに

2019年9月。すべての映像コンテンツが完成し、無事に納品することが出来ました。行政の方から、「おかげさまで被災者の気持ちがダイレクトに伝わるものができました」と、感謝の言葉をいただいたときには胸がいっぱいになりました。それに、気仙沼市の『東日本大震災遺構・伝承館』も、岩手県の『東日本大震災津波伝承館』も恒久的な施設であり、開館当初はもちろん、現在も訪れた方々から大きな反響が生まれ続けていることも、他では得難いやりがいになっています。

こうした社会的価値の大きな仕事に、入社3年で携われたのは若手のチャレンジを応援するNEPならではの魅力だと思います。テレビ番組から映像制作までジャンルを横断して経験を積み、ディレクターとプロデューサー両方の視点とノウハウを吸収できたこと、そしてNHKが持つ映像素材の活用の仕方が学べたことで、今後のキャリアの可能性も広がったなと実感しています。

現在はドラマ番組に異動して、また新たな挑戦に取り組んでいる最中です。目指すは、自分なりの経験を活かしていままでになく「易しいけど深い」と感じてもらえるような作品を生み出すこと。一日も早く皆さんに届けられるように、これからも努力し続けたいと思います。

映像製作「震災津波伝承館」 映像製作「震災津波伝承館」