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WORK プロジェクトストーリー

福井県立恐竜博物館の大型3面シアター
01

福井県立恐竜博物館の大型3面シアター

NHKで放送している番組以外にも、外部クライアント向けの映像制作を手掛けているのがNEPの特徴の一つ。今回は、2023年7月にリニューアルされた福井県立恐竜博物館の大型3面シアター「3面ダイノシアター」を紹介します。16m×9mもの4Kスクリーンをコの字型に3面展開したイマーシブ映像環境と、18chの立体音響システムを備えたシアターで、実物大の恐竜たちが躍動的に暮らす太古の世界を、CGでリアルに再現しています。コンテンツを制作した社会文化部のTに話を聞きました。

最先端のイマーシブコンテンツならではの没入感を届けたい

T PRODUCER

プロフィール
所属
社会文化部(イベント事業兼務)
出身校
慶應義塾大学総合政策学部
出身地
東京都
趣味
音楽、食、旅行
入社の決め手
在学中、研究室で映像制作を学び、映像制作に興味を持った
映像プロデューサーT
経歴
1995年4月
新卒入社
1995年
ハイビジョン推進部(主に独自事業)
1997年
マルチメディア事業部~コンテンツ事業で独自事業、デジタルコンテンツ・大型映像の企画制作およびプロデュースを担当
2003年
事業開発部にて新規イベント開発、企画事業部兼務として大型映像・CG制作を担当
2009年
デジタル・映像イノベーション部でWebサイト制作、8K3D制作などを行う
2015年
イベント・映像事業部
2024年4月
社会文化部とイベント事業部を兼務

FLOW

プロジェクトの流れ プロジェクトの流れ
福井県立恐竜博物館の大型3面シアター 福井県立恐竜博物館の大型3面シアター

CHAPTER.01

3分間の映像を2年間掛けて制作

私は社会文化部に在籍しながら、イベント事業部にも兼務しています。前者はNHK番組の制作をメインにしながら、外部クライアント向けの映像制作も手掛ける部署。後者は、ライブ・エンタテインメントの企画や、外部クライアント向けのイベント、フォーラムなどの制作を行う部署です。

今回紹介するのは、2023年7月にリニューアルされた福井県立恐竜博物館の大型3面シアター映像です。このプロジェクトは2022年に始まり、2024年3月にすべての納品を完了しました。フクイラプトルやフクイサウルスなど、前期白亜紀の福井に生息した恐竜たちを観察できる「福井編」と、後期白亜紀の北米大陸を舞台にティラノサウルスやトリケラトプスなどの人気恐竜たちが登場する「ララミディア編」、3分間の映像2作品を制作。私はプロデューサーとして、制作スタッフや予算の管理をはじめ、クリエイティブ面のクオリティコントロールを担いました。

福井県立恐竜博物館の大型3面シアター

CHAPTER.02

世界にも類を見ない大型映像シアター

この案件は公募でした。NEPは恐竜をテーマにした番組の制作実績も豊富ですし、過去に同館の映像を制作したこともあります。そこで、ぜひチャレンジしてみようとなりました。実物大の恐竜を投映できる、巨大な3面シアターということで、私たちが提案したのは、旧来型の映像シアターではなく「VRゴーグルを掛けずにバーチャルリアリティ体験ができる空間」です。そのアイディアが受け入れられ、NEPの提案が採択されました。世界にも類を見ない大型シアターでの映像制作が決まり、ワクワクしました。

しかし、私自身は恐竜のコンテンツを制作したことがありません。そこで、国内外を問わず、恐竜をテーマにした映像を一通りインプットしていきました。実際に同館にも足を運んで、恐竜に関する図録や資料なども読み漁ったことも覚えています。制作チームにも、恐竜の番組に手慣れたCGのスタッフを集めて、本格的な制作がスタートしました。

制作の鍵となるのが、プレビズというビデオコンテです。絵コンテの映像バージョンだと思ってください。恐竜のレイアウトや動き、アングルやパスなどのカメラワークをクライアントに共有するためのものです。3面ダイノシアターはコの字型になっているので、通常のモニターではコンテンツのイメージが伝わりません。そこで、博物館に足を運び、ヘッドマウントディスプレイを用いてプレビズを観ていただいたこともありました。

福井県立恐竜博物館の大型3面シアター

CHAPTER.03

知的好奇心の種を蒔ければ

恐竜の映像に慣れたスタッフィングで臨んだものの、クライアントは恐竜のプロ中のプロ。学術監修がとても鋭いです。動きのスピードや足の爪の表現、関節の曲がり方など、微に入り細に入り最新の学説に基づいたご指摘をいただきながらも、エンターテインメント性を保つことに苦心しました。しかし、その恐竜への強いこだわりと愛に応えたならば、必ず来館者に楽しんでいただける映像になるだろうという確信がありました。

制作終盤には、学芸員の方々だけでなく館長や副館長にも監修ミーティングに参加いただき、カメラワークなどの演出を検討しながら、巨大な恐竜たちの迫力を出すための工夫を盛り込み、無事にコンテンツが完成。3面映像と立体音響に包まれ、恐竜たちの世界をリアルに体感できる空間が実現しました。ノンカットのシームレスな映像により、没入感を最大限に高めたイマーシブコンテンツです。

子どもたちがコンテンツを体感して、時には走り回り、恐竜たちの世界を楽しんでいる姿を見られた際は、本当によかったなと思いました。10メートル以上もの巨大な恐竜も登場します。感受性が強い子どもたちが、恐竜の世界にワクワクしながら知的好奇心を養ってくれたらうれしいです。 

福井県立恐竜博物館の大型3面シアター

CHAPTER.04

“最先端”にチャレンジできる環境

私は1995年にNEPに入社しました。一人ひとりの裁量権が大きな会社で、好きなことを仕事として取り組める環境に身を置けたので、いまも働き続けることができています。自分は大型映像に興味を持ち、いくつも作り続けてきましたが、いまも最先端のイマーシブコンテンツに携わることができるのは、幸せなことと思っています。

過去には、8Kの3D映像と22.2ch立体音響を組み合わせた「8K:VRシアター〜Aoi -碧- サカナクション」というプロジェクトにも携わりました。音楽が好きなので、よくライブハウスにも足を運びますが、単にライブを映像で再現するのではなく、ライブの感動とはひと味もふた味も違った魅力のある、まったく新しい映像体験をいつか作ってみたいですね。

NEPは放送番組以外のコンテンツ制作やイベント制作など、ジャンルを越えて幅広く多彩な仕事をできるのがいいところ。他のプロダクションと比較するならば、クライアントからの信頼を得やすく、より大きな規模のプロジェクトに関われるチャンスが広い。それもまた、NEPに入社するメリットです。

2024年10月取材